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fltech - 富士通研究所の技術ブログ

富士通研究所の研究員がさまざまなテーマで語る技術ブログ

画角変更検知の特長のご紹介

こんにちは、人工知能研の小林です 。今日は、Fujitsu Kozuchi に搭載されている画角変更検知についてご紹介します。

この記事は、5週連続集中連載の第4弾です。前回「マルチカメラトラッキングの特長のご紹介」はこちらです!

画角変更検知は、カメラの画角の微妙な変化を即座に検出できる技術です。富士通が研究開発した先端AI技術を迅速に試すことができるプラットフォームFujitsu Kozuchiの、AIのコア技術単位のソフトウェア部品「AIコアエンジン」です。

防犯カメラなどの固定カメラは、商業施設、工場の中、駅や空港など公共の場といった様々な場所に設置されています。これらの固定カメラの映像を、画像認識AIを使って解析することが近年増加しています。しかし、衝撃などにより固定カメラの向きがずれたり、撮影範囲に少しでも変化があると、画像認識AIの精度が低下してしまいます。精度が低下した場合には撮影場所の定義情報の修正や、AIの再学習などが必要となります。しかし変化を検知できなければ、対処することはできません。この課題を解決するために画角変更検知を開発しました。

画角変更検知の価値と利用イメージ

画角変更検知の価値は、カメラの画角の微妙な変化を即座に検出することで、撮影範囲がずれたままの運用を防止し、画像AIの安定運用を実現するということです。

画角変更検知は、カメラの向きの変化を検知できるだけでなく、撮影された範囲の微妙な変化も検知します。カメラの回転、撮影範囲の拡大、縮小、設置されている機器や店舗内の商品棚などレイアウトの微妙な変化を検出できます。判定は、カメラで撮影した映像のうち二枚の画像だけで判定します。判定にかかる時間は、約500msec(検知のみの時間)です。以下の例は工場内での様子です。二枚の画像の微妙な変化を検知し、カメラが回転したと判定しています。

さらに、画角変更検知は、適用が容易という特長もあります。 判定処理にGPU (画像処理に特化したプロセッサ)を必要としないため、どのような環境であっても適用することができます。また、Pythonというプログラミング言語で書かれているため、他の画像AIに関連するエンジンと容易に組合せることができます。

画角変更検知の技術の特長

画角変更検知は、映像から算出した特徴量の変化率からカメラの画角変化の発生を検知し、変化行列により変更内容を推定します。 変化前と変化後の画像から同じ特徴量を探し、オプティカルフローによって変化量を推定することで、変化行列をもとめています。求められた変化行列から変化率を計算し、その変化率に応じて生じた変化が回転か、拡大・縮小か、レイアウト変更なのかを特定しています。そのため、DeepLearningのような事前学習やGPUが不要であり、導入にかかる手間が非常に少ないです。

Fujitsu Kozuchiで適用検証を始めませんか

画角変更検知では、AIの実運用で重要となってくるカメラの回転、拡大・縮小などにより生じる見え方の変化を検知する技術を開発しました。AIの誤検知を抑止することができ、カメラ1台ずつを人手により確認する必要がないため、工数の削減も実現できます。そのため、AIの安定運用に大きく寄与する技術となっています。

Fujitsu Kozuchiは富士通が研究開発した先端AI技術を迅速に試すことができるプラットフォームです。画角変更検知のご紹介デモやトライアル環境については、以下よりお問い合わせください。

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