コンバージングテクノロジー研究所の郭 兆功です。だいぶ間が空きましたがテックブログ記事3本目です。
我々のプロジェクトでは、開発したソーシャルデジタルツイン技術を Fujitsu Research Portal に公開しています。今回は、公開中のシェアドモビリティ最適配置デモアプリで、使用するデータファイル・設定ファイルが簡単に生成できるデータ生成ツールを開発しましたので、ご紹介します。
これまでもデモデータを用意していましたが、デモアプリを見たお客様から、自分たちの都市でもデジタルリハーサルを試してみたいと要望を受け、データ生成ツールを開発しました。
データ生成ツールの特徴
シェアドモビリティ最適配置の各ユースケースで、必要なすべてのデータファイル・設定ファイルを任意の都市・場所で自動生成することができます。
ランダムな人の流れのデータを素早く生成することで、デジタルリハーサルにより、どんな効果が得られそうか、実データを準備する前の段階で、視覚的に理解・把握することができるようになります。
生成可能なデータ
必須ファイルは4つで、地図データ(map.net.xml.gz)、最適配置の対象となるシェアドモビリティステーションデータ(stations.csv)、人の流れのデータ(od.csv.gz)、設定ファイル(precondition.json)になります。 それ以外のオプションファイルは、以下が自動生成できるようになっています。
- OpenTripPlanner用地図データ(osm.pbf)
- 駐車場データ(parking.csv)
- 閉鎖道路データ(road-closure.csv)
- 課金道路データ(road-pricing.csv)
- 公共交通データ(gtfs.zip) *次回のリリースで対応します!
- 行動選択モデル設定ファイル(model.json)
実際にやってみよう
ここで、ダイナミックディスカウントユースケースを例に実際にやっていきます。 ダイナミックディスカウントとは、シェアドeスクータの利用状況に応じて利用料金を変更することで、人々の移動手段選択が変化するかを確認するユースケースです。
map.net.xml.gz
、stations.csv
、od.csv.gz
の3つのデータファイルと設定ファイルであるprecondition.json
を用意していきます。
地図データ(map.net.xml.gz)
OSM Converterを開き、テキストボックスに任意の都市を入力すると、geocodingで検索します。デジタルリハーサルの対象範囲を指定し、Generate
ボタンを押すと地図データが生成されます。ダウンロードボタンを押しダウンロードします。
シェアドeスクータのステーションデータ(stations.csv)
ステーションデータは、すでに設置場所が決まっている場合は、Stations Builderを使って、ご自身で配置することができます。ランダムに設置したい場合は、Synthetic Stations Generatorを使って一括で配置することができます。初期配備するシェアドeスクータの台数も設定できます。生成されたデータを確認し、ダウンロードします。
人の流れのデータ(od.csv.gz)
ステーションデータ同様に、再現したい人の流れがわかっている場合はOD Builderを使って、ご自身で始点と終点を配置することができます。一括で多くのランダムODを生成したい場合はSynthetic OD Generatorを使って一括で生成することができます。プレビューを確認し、ダウンロードします。
設定ファイル(precondition.json)
デジタルリハーサルの条件にあたる時間や通貨などを設定します。基本はデフォルトのままでも動くようになっているので、ダウンロードボタンを押してダウンロードします。
デジタルリハーサル実行
では、必要なファイルが揃ったのでデモアプリにアップロードして使ってみましょう。
デモアプリを開きUpload Data Files
ボタンを押し、先ほど作成した4つのファイルを一括でアップロードします。
画面が変わり、デジタルリハーサル条件を確認し、Run Digital Rehearsal
ボタンを押し、デジタルリハーサルを開始します。
しばらく(条件次第ですが数分程度)すると完了するとダッシュボードで結果を確認することができます。
詳細な使い方や他のファイルの生成方法などは、実際に試してもらったほうがわかりやすいかと思います!マニュアルも用意していますので、合わせて参考にしていただければ幸いです。
今後
ソーシャルデジタルツインで実現できる社会課題解決を皆様に触ってもらえる形で、今後もFujitsu Research Portalに公開していきます。 実際に触っていただき、我々の開発技術が活かせる企業様や自治体様とコラボレーションできることを期待しています。
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