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fltech - 富士通研究所の技術ブログ

富士通研究所の研究員がさまざまなテーマで語る技術ブログ

Smart Enterprise Data Assistant の特長のご紹介

こんにちは、人工知能研究所のZhongguang Zhengです。今日はFujitsu Kozuchiに搭載されているSmart Enterprise Data Assistant をご紹介します。

このブログは、Fujitsu Kozuchi のAIコアエンジンを紹介する連載ブログのひとつです。ブログの最後で、これまでの内容をまとめておさらいできます!

Smart Enterprise Data Assistant は、プログラミングやカスタマイズなしで、チャットを通じて、オンデマンドでビジネスデータの分析と可視化ができる技術です。この技術は、富士通が研究開発した先端AI技術を迅速に試すことができるプラットフォームFujitsu Kozuchiに、「AIコアエンジン」として搭載されています。

ビジネスデータの分析は様々な場面で必要です。例えば、小売店であれば、販売データの分析や顧客の動線分析などがあります。しかし、ビジネスデータを分析するには、高度な分析やプログラミングのスキルが必要です。データの整理や集計、高度な統計的な分析、可視化、そして時間が必要となります。そのため、全てのビジネスパーソンが、必要な時に容易にデータ分析を行うことは難しい状況です。そこで、この課題を解決するために、Smart Enterprise Data Assistantを開発しました。

Smart Enterprise Data Assistantの価値と利用イメージ

Smart Enterprise Data Assistantの価値は、プログラミングやカスタマイズなしで、チャットを通じて、リアルタイムにビジネスデータの分析とグラフ化などの可視化ができるということです。

Smart Enterprise Data Assistantに何ができるのか、スーパーマーケットの販売データ分析の例で紹介します。

最初に、利用者はデータファイルを読み込ませます。今回の例では3つのデータファイルです。Commodityinfo.csvは製品名や販売価格など商品データ、Customerinfor.csvは顧客の性別や年齢、入店時間などの顧客データ、そして、CustomerPOSData.csvは購入された商品データです。データ形式は現在CSVを対象としています。

Smart Enterprise Data Assistantを利用する時には、2つのステップを踏みます。はじめのステップはデータファイルの内容理解、次は分析のステップです。まずは、最初に行う内容理解のステップについて説明します。

利用者は、ファイル解析ボタンによってデータファイルの内容理解を指示します。Smart Enterprise Data Assistantは入力されたファイルについて、どのような内容のデータが含まれているか、それらのデータが何に役立つ可能性があるかなどを解析し、利用者に提示します。  

このステップでSmart Enterprise Data Assistantがデータ理解を間違えると、次のステップのデータ分析へ影響するため、ここではちゃんと確認することが必要です。もし、Smart Enterprise Data Assistantが間違えていたり、補足する情報があったら、チャットで修正を依頼します。ここでは、補足情報を入力します。購入された商品データのファイルでは、ひとつの商品データが一行で記載されているため、同じ顧客が複数の商品を購入した場合には、複数行のデータが存在するということを、チャットで入力します。記述方法に特に決まりはなく、普通の会話のような言葉で入力できます。Smart Enterprise Data Assistantは、利用者からの修正依頼に対して、ファイルの説明を修正します。Smart Enterprise Data Assistantが提示するファイルの説明に問題がなければ、”AIはアップロードされたファイルを完全に理解しました”にチェックを入れて、次の分析のステップに進みます。  

フルーツについて分析する場合を例とします。リンゴを購入した顧客を探したい。とチャットに入力すると、リンゴを購入した顧客のリストが提示されます。

次に、リンゴを含むフルーツを購入した顧客の性別を知りたいとします。入力した商品データには、リンゴやバナナなど商品名は書かれていますが、”フルーツ”と書かれていません。Smart Enterprise Data Assistantは、フルーツという概念と、入力されたデータファイル中の商品名を照合して、結果を出力します。これにより、データファイルにフルーツという分類が無くても、フルーツという観点で分析することができます。

さらに、Smart Enterprise Data Assistantは、データの可視化の機能も充実しています。この例では、フルーツを購入した顧客の性別分布を表示してください。と入力し、Smart Enterprise Data Assistantは以下のようなグラフを表示します。

Smart Enterprise Data Assistantの技術の特長

Smart Enterprise Data Assistantは、LLM(大規模言語モデル)と生成AI技術を用いて、オンデマンドでデータ分析結果をリアルタイムに提供する技術です。インタラクティブなファイル解析とファジーなクエリ解析という特長があります。

・インタラクティブなやり取りを通したデータ理解・分析 Smart Enterprise Data Assistantはインタラクティブなやり取りを通して、CSVファイルを理解します。Smart Enterprise Data Assistantは、まずヘッダーや数値情報などCSVファイルの内容を分析し、その内容についての理解を利用者に提示することができます。Smart Enterprise Data Assistantは、CSVファイルの情報を利用して異なるCSVファイル間の相関関係を見つけることができるため、データファイルが複数の場合でも、利用者の要望に沿って正確に分析を行うことが可能です。また、Smart Enterprise Data Assistantは利用者からの指示に基づいてCSVファイルの理解を修正することもできます。

・CSVデータに対するファジーなクエリ解析 Smart Enterprise Data Assistant Aは、クエリ内の概念をCSVデータの値にマッピングします。例えば、小売業の例における”フルーツを買った顧客を探してください”といクエリでは、クエリ内の”フルーツ”という概念を、CSVデータ中のフルーツ名称にマッピングします。これにより、Smart Enterprise Data Assistantは高精度な分析を実現します。

Fujitsu Kozuchiで適用検証を始めませんか

Smart Enterprise Data Assistantは、CSVデータを分析したい人をサポートします。データ分析のスキルは必要ありません。ビジネスマネージャーや企業の実務担当者など、データ分析が必要な人なら誰でもSmart Enterprise Data Assistantをお試しいただけます。必要なのは、一行のヘッダーとデータが書かれたCSVファイルを準備して、Smart Enterprise Data Assistantにアップロードして分析を開始するだけです。

Fujitsu Kozuchiは富士通が研究開発した先端AI技術を迅速に試すことができるプラットフォームです。Smart Enterprise Data Assistant のご紹介デモやトライアル環境については、以下よりお問い合わせください。

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