fltech - 富士通研究所の技術ブログ

富士通研究所の研究員がさまざまなテーマで語る技術ブログ

Search Result: AI

DATA2025で日欧データスペースの比較分析について発表しました

…した。 セッションはAIなどの最新のトレンドを反映し、自然言語処理や機械学習に関連したものが7セッションで最多のセッション数となっていました。自然言語処理のセッションでは、大規模言語モデルを文献スクリーニングや看護師のストレスチェックなど様々な実問題に適用し、評価分析を行った研究が発表され、活発な議論が行われていました。また、欧州におけるデータスペースの急速な発展に関連した新しいセッションとして、データガバナンスやデータ主権のセッションも設けられていました。データスペース[1…

Materials Informatics特集 #11:(レビュー論文紹介) 万能なAIモデル「汎用MLIP」とは?

…きます。この論文は、AIの専門家ではないが、分子モデリングの知識を持つ研究者を対象としており、MLIPを利用してみたい方にとって非常に役立つ内容です。この記事を読んで少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ一度論文もご覧になってみてください。 論文の構成は次の通りとなっています。 Introduction A list of MLIPs What makes MLIPs so exciting? Understanding the types of MLIPs - basic …

Fujitsu ナレッジグラフ拡張RAG技術のご紹介 #5 Fujitsu ナレッジグラフ拡張RAG for LA (Log Analysis)

…では企業における生成AIの活用促進に向けて、多様かつ変化する企業ニーズに柔軟に対応し、企業が持つ膨大なデータや法令への準拠を容易に実現する「エンタープライズ生成AIフレームワーク」を開発し、2024年7月よりAIサービス Fujitsu Kozuchi (R&D) のラインナップとして順次提供を開始いたしました。 本記事では、このフレームワークを構成する「Fujitsu ナレッジグラフ拡張RAG for LA (Log Analysis)」についてご紹介いたします。(*1) …

Materials Informatics特集 #10:半導体デバイス設計への因果発見AIの適用

…第10回は、因果発見AIの適用事例として、富士通研究所 デバイス&マテリアル研究センターとの社内実践事例を紹介します。本事例では、従来人手で行われてきた半導体デバイスの性能向上案の妥当性の検証に因果発見AIを適用することで、検証期間を大幅短縮し、かつ、詳細な性能向上の原理を見出すことを目標としました。本事例の関連論文が学術雑誌Applied Electronic Materialsで2025年5月25日に掲載されています[1]。 材料分野への因果発見の適用イメージ 因果発見A…

Materials Informatics特集#9: 材料の性質は何が原因で変化するの?因果発見AIがお答えします!

…コンピューティングとAIを活用し材料探索を加速する技術(Materials Informatics, MI)の開発に取り組んでおります。今回は統計的因果探索を活用した材料発見について紹介します。前回の記事では富士通独自開発のニューラルネットワークポテンシャル自動生成ツールを用いた事例紹介をしました。ご興味がある方は以下からご一読ください。 blog.fltech.dev はじめに 背景 統計的因果探索とは? 独自技術:条件付き因果探索 ワインクオリティデータの例 シミュレーシ…

ICASSP 2025に2件採択! ”人物再同定(Person Re-ID)”と”機械学習の忘却(Machine Unlearning)”に関する最新技術を紹介

…様子 本記事の概要 AI技術の社会実装が進む現在、以下のような課題への対応が強く求められています。 限られた実データでも高精度を維持すること 学習したデータを効率的に忘れさせること 本記事では、それぞれの課題に対応する以下の2件の研究成果を紹介します。 Person Re-IDの性能を強化する画像生成技術 擬似ラベルによる効果的な忘却を導く近似アンラーニング技術 どちらも、社会実装とプライバシー意識が高まる時代において極めて重要な技術的挑戦といえます。 著者が発表したセッショ…

Materials Informatics特集 #8: 【事例紹介】GeNNIP4MDを用いたプロピレングリコールの誘電特性の計算

…initio MD(AIMD)や古典力場を用いたMDでは不十分で、GeNNIP4MDで作成されたNNPモデルが必要となるのかを解説します。 GeNNIP4MDの用途や有効性が気になる方は、是非最後まで読んでいただければと思います。 双極子モーメントと誘電関数 はじめに、この論文で求めたい誘電関数と双極子モーメントについて簡単に紹介します。 誘電関数は、材料が外部電場に対してどのように応答するかを示す指標であり、材料の分極率や電磁波の吸収特性など、誘電特性を包括的に表します。双…

低温で電気信号はどう変わるか?量子コンピュータ向けの配線設計技術の一部を紹介

こんにちは。量子研究所の福盛です。本回は、超伝導量子コンピュータ向けの設計技術の1つとして、低温での高周波電気信号がどのように変わるかを解説したいと思います。

Materials Informatics特集 #7:機械学習分子動力学シミュレーションによる大規模ナフィオン膜内のプロトン輸送の解析

…nitio MD, AIMD)およびMLIP-MD計算結果と比較して、広範囲の含水率にわたって、実験値と良好な一致を示しました。 方法 本節では、ナフィオン系向けNNPモデルを構築する方法と、大規模ナフィオン系の長時間NNP-MDシミュレーションの実行条件について説明します。 NNPモデルの構築 NNPモデルの構築プロセスは図1の通りです。このプロセスの各段階について、以下に詳しく説明します。 初期構造の準備 NNP訓練のための初期データ作成用の構造として、ナフィオンモノマー…

Materials Informatics特集 #6:分子動力学シミュレーションの未来を拓く!高精度NNP自動生成技術「GeNNIP4MD」

…Dを活用することで、AIや分子シミュレーションの専門知識がなくても、高精度なシミュレーションを実現するニューラルネットワーク力場を簡単に作成することができます。 ※ JCTC論文URL:https://doi.org/10.1021/acs.jctc.4c01613 前回のMaterials Informatics特集 #5では、機械学習ポテンシャル (MLIP) について、その概要と技術詳細をご紹介しました。ご興味のある方は下記のリンクをご参照ください。 論文紹介 MDシミ…

量子計算機を使った新しい素因数分解法の提案論文を読んでみた (その2)

はじめに こんにちは、データ&セキュリティ研究所の山口と伊豆です。 2024年12月に中国の研究者たちが量子アニーリング計算機を使ってある条件を満たす2048ビット合成数の素因数分解に成功したという論文を発表しました。インターネット等で使用されているRSA暗号やRSA署名という暗号方式は合成数をパラメータ(公開鍵)として使用しており、この合成数の素因数分解が難しいことが安全性の根拠となっています。このため2048ビット合成数が簡単に素因数分解できてしまうとRSA暗号やRSA署…

Materials Informatics特集 #5:(レビュー論文紹介) AIで原子を動かす!?MLIPの世界へようこそ

…きます。この論文は、AIの専門家ではないが、分子モデリングの知識を持つ研究者を対象としており、MLIPを利用してみたい方にとって非常に役立つ内容です。この記事を読んで少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ一度論文もご覧になってみてください。 本論文の目次は以下の通りです。 Introduction A list of MLIPs What makes MLIPs so exciting? Understanding the types of MLIPSs - basic fo…

Materials Informatics特集 #4: (レビュー論文紹介) 安定したMDシミュレーションが可能なMLIPってどんなモデル?【Forces are not Enough】

…か? 最近MD向けにAIを用いた機械学習力場が提案されていて、第一原理計算と同等の精度があるらしい... でも使ってみようと調べたら、たくさんモデルが出てきてどのモデルを使ったら良いのかわからない この記事では、このような課題を解決してくれる論文「Forces are not Enough: Benchmark and Critical Evaluation for Machine Learning Force Fields with Molecular Simulation…

Fujitsu Quantum Day 2025 Japanで超伝導量子ビットの作製技術についてポスター発表しました

はじめに こんにちは、量子研究所で超伝導量子コンピュータのハードウェアに関する研究開発を担当している山口です。 2025年3月28日に開催したイベントFujitsu Quantum day 2025 Japan (https://www.fujitsu.com/global/about/research/technology/quantum/event-202503/)にて、量子コンピューティング技術のポスター発表を行いました。今回、そこでの発表内容についてご紹介します。

業界初:熟練者の勘と経験をAIが継承 ― 不具合分析に革新をもたらす新手法

AI

…enerative AI」*4と題し、生成AIを活用して課題解決に挑むスタートアップと、生成AIで解決したい課題を抱える大企業をマッチングし、スタートアップの生成AI活用を促進します。 Thingsの取組みと製造業における不具合分析の課題 PRISMの概要 Thingsは製品ナレッジ活用クラウド「PRISM」を提供しています。PRISMはPLMのアーキテクチャを土台とした製造業特化型AIサービスで、様々なフォーマットで保管された製品情報をAIが整理・統合し、誰でも簡単に活用で…

Materials Informatics特集 #3:第72回応用物理学会春季学術講演会で機械学習ポテンシャルによる大規模・長時間分子動力学シミュレーション技術を発表しました

…コンピューティングとAIを活用し、材料探索を加速する技術の開発に取り組んでいます。 私たちが開発したニューラルネットワークポテンシャルの自動生成ツールGeNNIP4MD (Generator of Neural Network Interatomic Potential for Molecular Dynamics) を用いた研究成果が、第72回応用物理学会春季学術講演会に採択され、2025年3月に東京理科大学野田キャンパスにてポスター発表を行いました。今回のMaterial…

量子コンピュータを活用した材料物性シミュレーション技術の開発#2:有限温度シミュレーション技術

…(Markov-Chain Monte Carlo with Sampled Pairs of Unitaries, MCMC-SPU)[2]についてご紹介します。 有限温度シミュレーション技術 背景 物質は、温度によって様々な状態に変化します。身近な例では、水は温度に応じて固体・液体・気体と姿を変えます。電気抵抗がゼロになる超伝導など、物質の量子力学的な性質も同様に温度に強く影響されます。このように温度は物質の性質を大きく左右する重要な要素ですが、様々な温度状態にある物質の…

世界最大級256量子ビット超伝導量子コンピュータの開発

こんにちは、量子研究所の近藤です。このたび富士通は、理化学研究所和光キャンパス内に設置している理研RQC-富士通連携センターにて、世界最大級 (注1)となる256量子ビット超伝導量子コンピュータを稼働させました[1]。2023年10月に稼働させた64量子ビット超伝導量子コンピュータに続く成果になります。64量子ビットシステムの公開から、冷凍機サイズをほぼそのままで、量子ビット数を4倍の規模に拡大したのですが、本記事では、256量子ビットシステムへ規模が拡大できた技術のポイント…

量子コンピュータの計算効率を劇的改善!STARアーキテクチャの進化と応用

こんにちは、量子研究所の兎子尾です。今回は、私たちが開発を進めている量子コンピュータのソフトウェア技術に関する話題をお届けします。量子コンピュータは未来のテクノロジーとして期待を寄せられており、ここ数年で開発競争が激化しています。その中でも、富士通と大阪大学*1が開発した、量子コンピュータの実用化を早める革新的な技術である「Space-Time efficient Analog Rotation quantum computing(STAR)アーキテクチャ」*2は、過去2回の…

量子コンピュータを活用した材料物性シミュレーション技術の開発#1:量子コンパイル技術

…(Markov-Chain Monte Carlo with Sampled Pairs of Unitaries, MCMC-SPU)[2]について発表しましたので、本稿と次稿に分けて内容をご紹介します。以下では、1点目の量子コンパイル技術について簡単に解説します。 量子コンパイル技術 背景 量子多体系のシミュレーションは指数的な量子加速が期待される実用的な問題の1つです。具体的には分子や固体結晶といった量子多体系の時間発展をシュレーディンガー方程式に基づいて解析することで…

Materials Informatics特集 #2:APS2025での機械学習ポテンシャルの研究動向

…特に材料分野におけるAI活用の研究は多くの聴講者を集めており、材料分野のビッグトレンドになっていると感じました。本記事では、機械学習ポテンシャルに関する具体的な技術や応用例を通じて、その進展を紹介します。 機械学習ポテンシャルに関する研究動向 今回、私が聴講した機械学習ポテンシャル(MLIP: Machine Learning Interatomic Potential)に関する研究は、大きく分けて以下の4つのジャンルに分類できます。 1. 汎用の機械学習ポテンシャル(uML…

理論上最高効率の量子ニューラルネットワークを発明!~複雑性の中に潜む美しさ~

…ん。 私自身も、量子AIの実現を目指して、多角的な視点から研究を続けていきたいと思います。 最後までご覧いただき、ありがとうございました! 参考文献 [1] Quantum Techniques in Machine Learning 2024 [2] Chinzei et al., npj Quantum Information 11, 79 (2025) [3] Mitarai et al., Physical Review A 98, 032309 (2018) [4]…

AAAI 2025 で高次元のベイズ最適化について発表しました

AI

…関する国際会議 AAAI 2025 にて、複雑で高コストな最適化問題を効率よく解くためのベイズ最適化手法について発表したので、その内容を紹介します。 採択論文 タイトル:Regional Expected Improvement for Efficient Trust Region Selection in High-Dimensional Bayesian Optimization 著者:Nobuo Namura, Sho Takemori 発表会議: The 39th A…

OPEAを活用した生成AIアプリ開発入門

AI

…OSSを活用した生成AIアプリのDevOpsを実現するためのプラットフォームを検討しています。 近年注目を集めている「生成AI」。画像や文章を自動で作成する技術として知られていますが、具体的な活用方法に迷われている方も多いのではないでしょうか。 例えば、文章の要約、質問応答、アイデア創出など、様々な業務を生成AIを活用して遂行するアプリケーションを、ここでは生成AIアプリと呼んでいます。 生成AIアプリは、従来型のシステムでは困難だった高度な自然言語処理や曖昧性の許容、複雑な…

スパコン環境での決定グラフ型量子回路シミュレータの高速化

はじめに こんにちは、量子研究所の量子アプリCPJの猪谷です。2025年3月28日にFujitsu Uvance Kawasaki Towerで開催されたFujitsu Quantum Day (FQD) 2025 Japanでポスター発表を行いました。今回は、この発表内容をFujitsu Tech Blogの方でも紹介させていただきます。なお、発表した技術自体は、2024年11月17日-22日に米国アトランタで開催されたSC24で発表されたものです [1]。技術の詳細はIE…

Materials Informatics特集 #1:APS2025で機械学習ポテンシャルの生成技術を発表しました

…コンピューティングとAIを活用した、材料探索を加速する技術(Materials Informatics: MI)の開発に取り組んでいます。 MIは、近年のコンピューティングとAIの技術進展に伴い、非常に盛んになってきた研究領域であり、材料探索の業界に革新をもたらしています。これから2か月間、MIの特集記事を投稿していきますので、ぜひご期待ください。第一回として、私が国際学会APS2025で発表した内容についてご紹介します。 私たちが開発した材料探索を加速するソフトウェアGeN…

コマを回すと未来のまちの姿が見える!?市民との共創から生まれた未来空想装置「ワンダリングアーカイブス」

…用されている画像生成AI技術に関するご紹介をさせていただきます。 はじめに 我々はコンバージングテクノロジー研究所の中でも、障害当事者など様々なステークホルダーとともに、アイデアとテクノロジーを掛け合わせることで新たな価値やイノベーションを創出することを目指すチームです。プロジェクトを通じて、人々の「DE&Iの意識・行動変容」によるWell-beingなまちづくりに貢献し共生社会実現を目指しています。 「Ontenna」や「エキマトペ」(*1)などのこれまでの活動を評価いただ…

Arm CPUを利用してオンプレミス x 生成AIを低コストで実現! ~プライベートな環境で社外秘情報も活用可能!~

…は、社外秘情報を生成AIで活用したい方向けに、オンプレミス環境で生成AIを低コストで活用するための富士通研究所の取り組みをご紹介します。 AIが人間の生活のあらゆる面を変革している一方で、電力消費量や二酸化炭素排出量増加などの環境やコストへの影響は無視されがちです。富士通研究所では、環境負荷を軽減し、持続可能なAIの未来を目指すために、低消費電力なハードウェアであるArm CPUの活用と、その性能を最大限に引き出すためのソフトウェアであるArm CPU最適化技術の研究開発を行…

広島大学との共同研究で開発した量子化学計算ソフトウェア「GANSU」をOSS公開しました

はじめに こんにちは、コンピューティング研究所の辻です。私は、富士通スモールリサーチラボ(以下、富士通SRL)という産学連携の取り組みで、広島大学に常駐して共同研究に従事しています。広島大学SRLでは、量子化学計算の高速化について研究しています。量子化学は、電子状態を考慮することで分子構造の最適化や物性予測の精度を大幅に向上させられますが、計算量が極めて大きいという課題があります。情報科学と化学という異なる専門分野にまたがるハードなテーマですが、組織的な連携を強化した富士通S…

SIGGRAPH Asia 2024でセッションを企画・オーガナイズし、発表しました

… skills training that can be effectively learned through VR 著者:Hiroaki Takebe(Fujitsu Limited) 1. セッションの企画・オーガナイズ セッションの趣旨 近年、XR(Extended Reality, Cross Reality)技術は進化を遂げ、社会への浸透が進んでいます。それに伴いビジネスでの応用事例が数多く見られるようになりましたが、その成果や今後の展望について企業間で議論する場…