fltech - 富士通研究所の技術ブログ

富士通研究所の研究員がさまざまなテーマで語る技術ブログ

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リサーチエバンジェリストによる富士通TECH UPDATE✨(FY26-1Qプレスより)

…」の喜ばしい受賞🎉 量子コンピュータの金融領域における共同研究を発表 Fujitsu Technology & Service Vision 2026を策定、AI時代の企業変革がキーワード FY26のプレス第一弾はPhysical AI 4月23日Press 富士通とカーネギーメロン大学、フィジカルAI領域における共同研究センターを設立←Click! Physical AIは非常に注目されており、まさにいまPhysical AI元年を迎えたと言えます。 「AIがすごい勢いで発…

ISC High Performance 2026に参加・展示しました #2 ~AI Computing BrokerとHPC・AIの最新動向

…感をお伝えします。 量子コンピュータとHPCの統合に関するセッションについては、関連記事もあわせてご覧ください。 blog.fltech.dev はじめに ISC 2026 開催概要 富士通ブースと展示概要 AI Computing Broker(ACB)とは 解こうとしている課題 アイドル時間を埋め、GPUを共有する AlphaFold2 複数LLM Xtreme-D社様での活用事例 ACB 2.0:AIに限定しないGPU活用へ ブースで寄せられた反応 スーパーコンピュータ…

超伝導量子ビットチップを運用するための技術の一例を紹介 ~ジョセフソン接合抵抗の経時変化を抑える低温保管技術~

こんにちは。量子研究所の川野です。私は、超伝導量子コンピュータに用いる量子ビットチップの製造技術の研究開発を担当しています。今回は、量子ビットチップを運用するために開発した技術の一例を紹介したいと思います。(この記事の内容を、米国材料学会 Materials Research Society 春季大会(2025 MRS Spring Meeting)で発表しました[1]。) 量子ビットの要 ~ジョセフソン接合~ 超伝導量子ビットチップは、量子コンピュータにおいてとても重要なチ…

光を使った量子ネットワークの高速化への第一歩! ダイヤモンド中SnVセンターと光共振器のコヒーレントな結合に成功

モジュラー量子コンピューティングコアプロジェクトでシニアプロジェクトディレクターをやっている河口です。この記事では、デルフト工科大学、QuTechの研究チームが私たち富士通との共同研究プロジェクト[1]において実現したダイヤモンドスピン量子技術の最新成果について解説していきます。なお、本成果は、量子分野の主要学術論文誌であるPhysical Review Xで2026年6月に発表され[2]、QuTechの公式サイトにてプレスリリースされています[3]。 1. 今回の成果の概要…

ISC High Performance 2026に参加・展示しました #1 ~量子コンピュータ×HPC関連セッションを中心に

…じめに こんにちは、量子研究所の五木田です。 2026年6月22日から26日まで、ドイツ・ハンブルクで開催された国際会議 ISC High Performance 2026(以下、ISC 2026)に参加しましたので、その内容をご紹介します。本記事では、特に量子コンピュータをHPC環境に統合するためのプラットフォーム関連のセッションを中心にレポートします。 はじめに Top500 ハイライト:CPU-only システムが首位に、ABCI-Qも38位ランクイン Opening …

1万量子ビットへの道:富士通が挑む“読み出し”の革新

こんにちは.量子研究所の才田です.2025年3月28日に開催されたFujitsu Quantum Day 2025 Japan [1] にて,ポスター発表を行いました.ここでは,その内容について紹介します. 量子コンピューターが社会を変える——そんな未来に期待を寄せる声は,年々高まっています. しかし,その実現には超えなければならない壁があります.それは「スケーリング(大規模化)」です. 特に,数千,そして1万量子ビット以上を目指すためには,単に量子ビットを増やすだけでは不十…

超伝導量子コンピュータのためのSパラメータを用いた大規模チップ設計手法を紹介

量子研究所 量子ハードウェアコアプロジェクトの芝です。理化学研究所と共同で超伝導量子コンピュータの研究開発を行っています。 Fujitsu Quantum Day 2026 Japan [1] にて、Sパラメータを用いた大規模超伝導量子ビットチップ設計手法についてポスター発表を行いました。国際会議International Microwave Symposium 2025 (IMS2025)での発表 [2] と同内容になります。この記事では、その内容をもとに、超伝導量子ビット…

量子コンピュータによる多重配列アラインメントの高速化

こんにちは、量子研究所・量子アプリケーションCPJの木村悠介です。 私は量子コンピュータの応用先の一つとして、ゲノム解析に着目しています。 今回、ゲノム解析の重要な技術の1つである多重配列アラインメント (Multiple Sequence Alignment, MSA)の一部を量子回路として実装し、その回路を同じく私たちが開発している決定グラフ (Decision Diagram, DD) 型量子回路シミュレータで高速にシュレーションした研究をarXivで公開しました。 こ…

量子アルゴリズムによる複雑系材料開発の飛躍的加速

皆様、こんにちは。量子研究所の量子アプリCPJの木村です。今回ご紹介する技術は、2026年5月1日に早稲田大学(富士通文中記載)にてプレスリリースされました早稲田大学と富士通の共同研究による最新の研究成果です[1]。この発表を多くの方々にお届けするため、Fujitsu Tech Blogでも詳しくご紹介させていただきます。その詳細はNature Portfolio社の「Scientific Reports」に掲載された論文[2]でもご確認いただけます。 研究背景:量子技術と材…

Early-FTQC時代を切り拓く!富士通と大阪大学が化学材料計算の新技術で量子コンピューティングを加速

…術として注目を集める量子コンピュータ。医療、素材開発、そしてエネルギー分野まで、その応用範囲は計り知れません。しかし、実用化にはまだ高いハードルが立ちはだかっています。特に、量子ビットのエラー問題は深刻で、高精度な計算を実現するには、エラーを訂正するための冗長性が必要となります。そのため、現実的な計算には100万規模の量子ビットが必要とされますが、これは相当先の未来の技術であるのが現状です。 この課題に対し、私たちは画期的なアプローチを考案しました。量子研究所*1のロバスト量…

ダイヤモンドスピン量子ビット向けクライオCMOSがさらに進化! NVモジュールの複数量子ビット駆動に成功

モジュラー量子コンピューティングプロジェクト・プロジェクトディレクターの河口です。この記事では、私たち富士通とデルフト工科大学、QuTechとの共同研究で実現したクライオCMOSによる世界初のNVモジュール複数量子ビット動作の詳細について解説していきます[1]。なお本成果は、回路分野での最高峰の国際会議であるISSCCで2026年2月に発表され、QuTechの公式サイトにてプレスリリースされています[2]。 1. 今回の成果の概要 はじめに、今回の成果の概要について説明します…

SC25に参加・展示しました#4 ~「FUJITSU-MONAKA」と「富岳NEXT」に関する展示

…がらモデルを軽量化(量子化)する技術の開発も進めています。これらのAI技術の活用が目標達成に不可欠であり、今後もAI適用領域の拡大とさらなる高速化を進めていきます。 次に、CPUとGPU双方の利点を最大限に引き出すアプリケーション高速化です。「富岳NEXT」においてはGPUが演算性能の大部分を占めますが、CPUと連携した最適化を行うことでアプリケーション性能が大幅に向上する事例が研究で示されており、両者の有効活用は今後ますます重要になってきます。富士通は、MONAKA-X単体…

SC25に参加・展示しました#2 ~量子コンピュータと、そのアプリケーションに関する展示

初めまして、量子研究所の瀧田です。私は入社以来、光通信システム・ネットワークに始まり、以降、ネットワーク全般やエッジコンピューティング、そして最適化(量子インスパイアード最適化)と、様々な分野で研究開発に従事してきたのですが、2024年度より、量子コンピューティングとご縁ができ、現在は、このアプリケーションを創出する業務に従事しています。 はじめに SC25において、量子コンピュータ関連の展示を行いましたので紹介したいと思います。富士通は、2025年4月に、世界最大級の256…

ノーベル化学賞に寄せて:新材料MOFの紹介

…料探索の困難さから、量子コンピュータによる材料探索の対象になっていたりします。これはMOFが組み合わせ爆発をもつから対象となっているだけでなく、MOFのもつ機能に対する期待が大きく、機能を最大限に引き出す材料探索をしたいということの現れでしょう。このようにMOFの研究は材料を相手にするところで富士通研究所の研究と縁があるのです。 さいごに MOFは市場に出たばかりの材料ですが、今回のノーベル賞を機に世に浸透していくと思われます。MOFという新材料系が環境に果たすポジティブな役…

1bit 量子化技術の紹介

1bit量子化で広がるLLMの可能性:高速・省メモリ化の最前線 こんにちは。富士通株式会社 人工知能研究所の酒井です。本ブログでは「1bit量子化」について、分かりやすく紹介します。本技術開発の背景には、巨大化する生成AIモデルと、それに伴う計算資源の課題があります。今回、人工知能研究所はこの問題を解決する画期的な技術である1bit量子化を実現し、さらに本技術をOSS公開しました。本ブログではその背景から技術までを簡単に説明します。 なぜ量子化が重要なのか? 生成AIモデル、…

量子古典ハイブリッド技術によるロボットの運動制御

皆様、こんにちは。量子研究所の量子アプリCPJの木村です。 この度、2025年12月2日にFujitsu Technology Parkで開催されたFTU 2025において、私は私たちの最新の研究成果を発表いたしました。今回は、この発表を多くの方々にお届けするため、Fujitsu Tech Blogでも詳しくご紹介させていただきます。 今回ご紹介する技術は、2025年8月25日に早稲田大学、芝浦工業大学と連名でプレスリリースされたもので[1]、その詳細はNature Port…

IEEE ICWS 2025 で偽情報対策技術について発表しました

…ジ、デジタルヘルス、量子コンピューティングなど、多様なサービス領域にまたがる専門会議を統合した国際会議群です。参加者はどの会議のセッションも自由に聴講できます。ICWS はその中で Webサービス技術やサービス指向アーキテクチャ(SOA) を中心テーマとする専門会議として2003年以来毎年開催されています。 会場のヘルシンキ大学 発表内容 今回はA Hybrid Approach Combining LLMs and Web-Based Information for Aut…

AI Computing Broker 最新デモの紹介

はじめに コンピューティング研究所の高品・粟本です。 この記事では、富士通研究所で開発している ACB (AI computing broker) という、 AI アプリケーションに対して GPU を効率的に割り当てる技術について説明します。

Materials Informatics特集 #14:GeNNIP4MDによるニッケル合金の水素脆化解析

…T)の計算コスト: 量子力学に基づいて原子間の相互作用を正確に記述できるDFT計算は、高い精度を誇ります。しかし、その計算コストは非常に高く、数千原子規模のシミュレーションを長時間行うことは事実上不可能です。水素拡散パスの多様性や、ランダム合金における数多くの原子配置を網羅的に評価することは、DFT単独では非現実的でした。 経験的原子間ポテンシャルの限界: 従来の経験的原子間ポテンシャルは、計算速度は速いものの、特定の物質や条件下でしか機能しないことが多く、化学結合の変化や電…

Materials Informatics特集 #13:【事例紹介】GeNNIP4MDによるシリカ-フッ酸 固液界面のウェットエッチング

…D, AIMD): 量子力学に基づき化学反応を正確に記述できますが、計算速度が非常に遅く、シミュレーション可能な時間スケールと原子数は、例えば数百原子の系では、典型的には高々100ピコ秒ほどに制限されます。そのため、ウェットエッチングのようなナノ秒単位の比較的長い時間で進行する現象の全体像を捉えることは困難です。 古典力場を用いたMD: 計算が高速で大規模・長時間のシミュレーションを可能にしますが、使用する経験的ポテンシャルの数理モデル以上の原子間相互作用の表現ができないため…

Materials Informatics特集 #12:【事例紹介】GeNNIP4MDを用いた半導体の酸素空孔の解析

…mics)[1]は、量子力学に基づく第一原理計算のデータを学習し、高精度かつ低コストなシミュレーションが可能な機械学習ポテンシャルを生成するツールです(図1)。 図1.GeNNIP4MDの概要。訓練データ作成とNNP訓練を自動的に行うことで、MD対象の材料構造を高精度に解析可能なNNPの自動生成を実現。 近年、NNPのような機械学習ポテンシャルは、通常の分子系や固体系だけでなくより複雑なアモルファス系や合金系、界面系にも応用が始まっています。 本記事では、GeNNIP4MD …

ISC2025に参加・展示しました#3 ~ FUJITSU-MONAKA向けOSSのポスター展示

…ムの進歩、人工知能、量子コンピューティングなど、ハイパフォーマンスコンピューティングパラダイムの交差点に焦点を当てており、3500人以上の業界関係者、学術関係者、ジャーナリストが参加しました。FRIPL (インド富士通研究所) のFUJITSU-MONAKAチームからも3名が出張し、プロジェクトポスター展示イベントに採用された3つのポスターを発表しました。私たちのポスターでは、HPC-AIソフトウェアエコシステムを拡大し、Arm CPU、特に次期2nm ArmベースのFUJI…

ISC2025に参加・展示しました#1 ~ AI Computing BrokerおよびAIベースの量子化学ソリューション

…、人工知能(AI)、量子コンピューテイング(QC)などの分野に関するカンファレンスと展示が行われました。ISCは1986年に創設され、今年で40周年を迎えました。今年は3585人が参加しており、195社の出展者がハンブルクに集まりました。 ISC2025におけるコンピューティング研究所の展示 学会併設の展示会では富士通ブースにて、HPCとAIが融合した技術であるGeNNIP4MDと、GPUを削減するミドルウェアであるAI Computing Broker(以降「ACB」)技術…

低温で電気信号はどう変わるか?量子コンピュータ向けの配線設計技術の一部を紹介

こんにちは。量子研究所の福盛です。本回は、超伝導量子コンピュータ向けの設計技術の1つとして、低温での高周波電気信号がどのように変わるかを解説したいと思います。 電気信号は配線を通ると劣化する 図1 配線通過前後の信号波形 パソコン、スマートフォンといった電子機器の内部では、1本の配線につき、1秒間に約10億(=109)個の電気信号がやり取りされており、この電気信号は、配線を通過した後、必ず劣化します。その劣化の様子は、送る前の信号の形状、配線の材料、長さ、断面の形状など、様々…

Materials Informatics特集 #6:分子動力学シミュレーションの未来を拓く!高精度NNP自動生成技術「GeNNIP4MD」

…Dシミュレーション:量子力学に基づいた正確な計算をベースにMDシミュレーションを行い、様々な温度条件下での原子配置データを取得します。 ランダム変位サンプリング:初期構造の原子位置をランダムに摂動させ、多様な構造を生成します。 自動化されたNNPのトレーニング DeepPot-SE[1]、PaiNN[2]、M3GNet[3]といった代表的なNNPモデルをサポートしています[※]。(※論文執筆時。現在はCHGNet[4]もサポート)。 Open Catalyst Project…

量子計算機を使った新しい素因数分解法の提案論文を読んでみた (その2)

…に中国の研究者たちが量子アニーリング計算機を使ってある条件を満たす2048ビット合成数の素因数分解に成功したという論文を発表しました。インターネット等で使用されているRSA暗号やRSA署名という暗号方式は合成数をパラメータ(公開鍵)として使用しており、この合成数の素因数分解が難しいことが安全性の根拠となっています。このため2048ビット合成数が簡単に素因数分解できてしまうとRSA暗号やRSA署名が解読されてしまい、インターネットの安全性が大きく揺らいでしまいます。本記事では本…

Fujitsu Quantum Day 2025 Japanで超伝導量子ビットの作製技術についてポスター発表しました

…じめに こんにちは、量子研究所で超伝導量子コンピュータのハードウェアに関する研究開発を担当している山口です。 2025年3月28日に開催したイベントFujitsu Quantum day 2025 Japan (https://www.fujitsu.com/global/about/research/technology/quantum/event-202503/)にて、量子コンピューティング技術のポスター発表を行いました。今回、そこでの発表内容についてご紹介します。 量子…

量子コンピュータを活用した材料物性シミュレーション技術の開発#2:有限温度シミュレーション技術

こんにちは、量子研究所で量子アルゴリズムの研究をしております松本徳文です。先日2025年3月28日にUvance Kawasaki Towerにて富士通主催のグローバル量子コンピューティングイベント 「Fujitsu Quantum Day」が開催されました。その中で私たちの研究チームの最近の成果をポスター発表しました。前稿「量子コンピュータを活用した材料物性シミュレーション技術の開発#1:量子コンパイル技術」 [1]に引き続きまして、本稿ではポスター発表内容の2点目である有…

世界最大級256量子ビット超伝導量子コンピュータの開発

こんにちは、量子研究所の近藤です。このたび富士通は、理化学研究所和光キャンパス内に設置している理研RQC-富士通連携センターにて、世界最大級 (注1)となる256量子ビット超伝導量子コンピュータを稼働させました[1]。2023年10月に稼働させた64量子ビット超伝導量子コンピュータに続く成果になります。64量子ビットシステムの公開から、冷凍機サイズをほぼそのままで、量子ビット数を4倍の規模に拡大したのですが、本記事では、256量子ビットシステムへ規模が拡大できた技術のポイント…

量子コンピュータの計算効率を劇的改善!STARアーキテクチャの進化と応用

こんにちは、量子研究所の兎子尾です。今回は、私たちが開発を進めている量子コンピュータのソフトウェア技術に関する話題をお届けします。量子コンピュータは未来のテクノロジーとして期待を寄せられており、ここ数年で開発競争が激化しています。その中でも、富士通と大阪大学*1が開発した、量子コンピュータの実用化を早める革新的な技術である「Space-Time efficient Analog Rotation quantum computing(STAR)アーキテクチャ」*2は、過去2回の…