Search Result: 量子
…術として注目を集める量子コンピュータ。医療、素材開発、そしてエネルギー分野まで、その応用範囲は計り知れません。しかし、実用化にはまだ高いハードルが立ちはだかっています。特に、量子ビットのエラー問題は深刻で、高精度な計算を実現するには、エラーを訂正するための冗長性が必要となります。そのため、現実的な計算には100万規模の量子ビットが必要とされますが、これは相当先の未来の技術であるのが現状です。 この課題に対し、私たちは画期的なアプローチを考案しました。量子研究所*1のロバスト量…
モジュラー量子コンピューティングプロジェクト・プロジェクトディレクターの河口です。この記事では、私たち富士通とデルフト工科大学、QuTechとの共同研究で実現したクライオCMOSによる世界初のNVモジュール複数量子ビット動作の詳細について解説していきます[1]。なお本成果は、回路分野での最高峰の国際会議であるISSCCで2026年2月に発表され、QuTechの公式サイトにてプレスリリースされています[2]。 1. 今回の成果の概要 はじめに、今回の成果の概要について説明します…
…がらモデルを軽量化(量子化)する技術の開発も進めています。これらのAI技術の活用が目標達成に不可欠であり、今後もAI適用領域の拡大とさらなる高速化を進めていきます。 次に、CPUとGPU双方の利点を最大限に引き出すアプリケーション高速化です。「富岳NEXT」においてはGPUが演算性能の大部分を占めますが、CPUと連携した最適化を行うことでアプリケーション性能が大幅に向上する事例が研究で示されており、両者の有効活用は今後ますます重要になってきます。富士通は、MONAKA-X単体…
初めまして、量子研究所の瀧田です。私は入社以来、光通信システム・ネットワークに始まり、以降、ネットワーク全般やエッジコンピューティング、そして最適化(量子インスパイアード最適化)と、様々な分野で研究開発に従事してきたのですが、2024年度より、量子コンピューティングとご縁ができ、現在は、このアプリケーションを創出する業務に従事しています。 はじめに SC25において、量子コンピュータ関連の展示を行いましたので紹介したいと思います。富士通は、2025年4月に、世界最大級の256…
…料探索の困難さから、量子コンピュータによる材料探索の対象になっていたりします。これはMOFが組み合わせ爆発をもつから対象となっているだけでなく、MOFのもつ機能に対する期待が大きく、機能を最大限に引き出す材料探索をしたいということの現れでしょう。このようにMOFの研究は材料を相手にするところで富士通研究所の研究と縁があるのです。 さいごに MOFは市場に出たばかりの材料ですが、今回のノーベル賞を機に世に浸透していくと思われます。MOFという新材料系が環境に果たすポジティブな役…
1bit量子化で広がるLLMの可能性:高速・省メモリ化の最前線 こんにちは。富士通株式会社 人工知能研究所の酒井です。本ブログでは「1bit量子化」について、分かりやすく紹介します。本技術開発の背景には、巨大化する生成AIモデルと、それに伴う計算資源の課題があります。今回、人工知能研究所はこの問題を解決する画期的な技術である1bit量子化を実現し、さらに本技術をOSS公開しました。本ブログではその背景から技術までを簡単に説明します。 なぜ量子化が重要なのか? 生成AIモデル、…
皆様、こんにちは。量子研究所の量子アプリCPJの木村です。 この度、2025年12月2日にFujitsu Technology Parkで開催されたFTU 2025において、私は私たちの最新の研究成果を発表いたしました。今回は、この発表を多くの方々にお届けするため、Fujitsu Tech Blogでも詳しくご紹介させていただきます。 今回ご紹介する技術は、2025年8月25日に早稲田大学、芝浦工業大学と連名でプレスリリースされたもので[1]、その詳細はNature Port…
…ジ、デジタルヘルス、量子コンピューティングなど、多様なサービス領域にまたがる専門会議を統合した国際会議群です。参加者はどの会議のセッションも自由に聴講できます。ICWS はその中で Webサービス技術やサービス指向アーキテクチャ(SOA) を中心テーマとする専門会議として2003年以来毎年開催されています。 会場のヘルシンキ大学 発表内容 今回はA Hybrid Approach Combining LLMs and Web-Based Information for Aut…
はじめに コンピューティング研究所の高品・粟本です。 この記事では、富士通研究所で開発している ACB (AI computing broker) という、 AI アプリケーションに対して GPU を効率的に割り当てる技術について説明します。
…T)の計算コスト: 量子力学に基づいて原子間の相互作用を正確に記述できるDFT計算は、高い精度を誇ります。しかし、その計算コストは非常に高く、数千原子規模のシミュレーションを長時間行うことは事実上不可能です。水素拡散パスの多様性や、ランダム合金における数多くの原子配置を網羅的に評価することは、DFT単独では非現実的でした。 経験的原子間ポテンシャルの限界: 従来の経験的原子間ポテンシャルは、計算速度は速いものの、特定の物質や条件下でしか機能しないことが多く、化学結合の変化や電…
…D, AIMD): 量子力学に基づき化学反応を正確に記述できますが、計算速度が非常に遅く、シミュレーション可能な時間スケールと原子数は、例えば数百原子の系では、典型的には高々100ピコ秒ほどに制限されます。そのため、ウェットエッチングのようなナノ秒単位の比較的長い時間で進行する現象の全体像を捉えることは困難です。 古典力場を用いたMD: 計算が高速で大規模・長時間のシミュレーションを可能にしますが、使用する経験的ポテンシャルの数理モデル以上の原子間相互作用の表現ができないため…
…mics)[1]は、量子力学に基づく第一原理計算のデータを学習し、高精度かつ低コストなシミュレーションが可能な機械学習ポテンシャルを生成するツールです(図1)。 図1.GeNNIP4MDの概要。訓練データ作成とNNP訓練を自動的に行うことで、MD対象の材料構造を高精度に解析可能なNNPの自動生成を実現。 近年、NNPのような機械学習ポテンシャルは、通常の分子系や固体系だけでなくより複雑なアモルファス系や合金系、界面系にも応用が始まっています。 本記事では、GeNNIP4MD …
…ムの進歩、人工知能、量子コンピューティングなど、ハイパフォーマンスコンピューティングパラダイムの交差点に焦点を当てており、3500人以上の業界関係者、学術関係者、ジャーナリストが参加しました。FRIPL (インド富士通研究所) のFUJITSU-MONAKAチームからも3名が出張し、プロジェクトポスター展示イベントに採用された3つのポスターを発表しました。私たちのポスターでは、HPC-AIソフトウェアエコシステムを拡大し、Arm CPU、特に次期2nm ArmベースのFUJI…
…、人工知能(AI)、量子コンピューテイング(QC)などの分野に関するカンファレンスと展示が行われました。ISCは1986年に創設され、今年で40周年を迎えました。今年は3585人が参加しており、195社の出展者がハンブルクに集まりました。 ISC2025におけるコンピューティング研究所の展示 学会併設の展示会では富士通ブースにて、HPCとAIが融合した技術であるGeNNIP4MDと、GPUを削減するミドルウェアであるAI Computing Broker(以降「ACB」)技術…
こんにちは。量子研究所の福盛です。本回は、超伝導量子コンピュータ向けの設計技術の1つとして、低温での高周波電気信号がどのように変わるかを解説したいと思います。 電気信号は配線を通ると劣化する 図1 配線通過前後の信号波形 パソコン、スマートフォンといった電子機器の内部では、1本の配線につき、1秒間に約10億(=109)個の電気信号がやり取りされており、この電気信号は、配線を通過した後、必ず劣化します。その劣化の様子は、送る前の信号の形状、配線の材料、長さ、断面の形状など、様々…
…Dシミュレーション:量子力学に基づいた正確な計算をベースにMDシミュレーションを行い、様々な温度条件下での原子配置データを取得します。 ランダム変位サンプリング:初期構造の原子位置をランダムに摂動させ、多様な構造を生成します。 自動化されたNNPのトレーニング DeepPot-SE[1]、PaiNN[2]、M3GNet[3]といった代表的なNNPモデルをサポートしています[※]。(※論文執筆時。現在はCHGNet[4]もサポート)。 Open Catalyst Project…
…に中国の研究者たちが量子アニーリング計算機を使ってある条件を満たす2048ビット合成数の素因数分解に成功したという論文を発表しました。インターネット等で使用されているRSA暗号やRSA署名という暗号方式は合成数をパラメータ(公開鍵)として使用しており、この合成数の素因数分解が難しいことが安全性の根拠となっています。このため2048ビット合成数が簡単に素因数分解できてしまうとRSA暗号やRSA署名が解読されてしまい、インターネットの安全性が大きく揺らいでしまいます。本記事では本…
…じめに こんにちは、量子研究所で超伝導量子コンピュータのハードウェアに関する研究開発を担当している山口です。 2025年3月28日に開催したイベントFujitsu Quantum day 2025 Japan (https://www.fujitsu.com/global/about/research/technology/quantum/event-202503/)にて、量子コンピューティング技術のポスター発表を行いました。今回、そこでの発表内容についてご紹介します。 量子…
こんにちは、量子研究所で量子アルゴリズムの研究をしております松本徳文です。先日2025年3月28日にUvance Kawasaki Towerにて富士通主催のグローバル量子コンピューティングイベント 「Fujitsu Quantum Day」が開催されました。その中で私たちの研究チームの最近の成果をポスター発表しました。前稿「量子コンピュータを活用した材料物性シミュレーション技術の開発#1:量子コンパイル技術」 [1]に引き続きまして、本稿ではポスター発表内容の2点目である有…
こんにちは、量子研究所の近藤です。このたび富士通は、理化学研究所和光キャンパス内に設置している理研RQC-富士通連携センターにて、世界最大級 (注1)となる256量子ビット超伝導量子コンピュータを稼働させました[1]。2023年10月に稼働させた64量子ビット超伝導量子コンピュータに続く成果になります。64量子ビットシステムの公開から、冷凍機サイズをほぼそのままで、量子ビット数を4倍の規模に拡大したのですが、本記事では、256量子ビットシステムへ規模が拡大できた技術のポイント…
こんにちは、量子研究所の兎子尾です。今回は、私たちが開発を進めている量子コンピュータのソフトウェア技術に関する話題をお届けします。量子コンピュータは未来のテクノロジーとして期待を寄せられており、ここ数年で開発競争が激化しています。その中でも、富士通と大阪大学*1が開発した、量子コンピュータの実用化を早める革新的な技術である「Space-Time efficient Analog Rotation quantum computing(STAR)アーキテクチャ」*2は、過去2回の…
こんにちは、量子研究所で量子アルゴリズムの研究をしております松本徳文です。先日2025年3月28日にUvance Kawasaki Towerにて富士通主催のグローバル量子コンピューティングイベント 「Fujitsu Quantum Day」が開催されました。その中で私たちの研究チームの最近の成果をポスター発表しましたので、その内容をご紹介したいと思います。 ポスター発表内容の概要 私たちの研究チームでは、2022年度より量子コンピュータ向けソフトウェア開発に強みを持つスター…
こんにちは、量子研究所の鎮西です! 私は2025年3月28日に開催されたFujitsu Quantum Day 2025 Japanにおいて、量子ニューラルネットワークの学習効率に関する最新の研究成果について発表を行いました。 今回はその内容について解説します。 世界最先端の研究動向だけでなく、量子ニューラルネットワークの中に潜む「美しさ」もお伝えできればと思います。 この成果は、量子機械学習分野における世界最大の国際会議Quantum Techniques in Machi…
…じめに こんにちは、量子研究所の量子アプリCPJの猪谷です。2025年3月28日にFujitsu Uvance Kawasaki Towerで開催されたFujitsu Quantum Day (FQD) 2025 Japanでポスター発表を行いました。今回は、この発表内容をFujitsu Tech Blogの方でも紹介させていただきます。なお、発表した技術自体は、2024年11月17日-22日に米国アトランタで開催されたSC24で発表されたものです [1]。技術の詳細はIEE…
…を予測するためには、量子力学に基づく複雑な数式を使った計算を行っていました。この方法は第一原理計算と呼ばれ、非常に正確な結果を得ることができます。しかし、計算に必要な時間とリソースが膨大であるため、本来解析したい大規模なシステムのシミュレーションに適用することは困難です。その一方で、実験データや既存の知識に基づいて、原子間の相互作用をモデル化する経験的ポテンシャルがよく用いられています。経験的ポテンシャルは計算速度が比較的速く、大規模なシステムのシミュレーションに適しています…
…PUの詳細 モデルの量子化 技術の要約 技術の詳細 1. 量子化とは 2. 量子化のためのソフトウェア紹介 3. 量子化の効果とトレードオフ Arm CPU向け最適化 技術の要約 技術の詳細 1. スレッド制御の実装を改善 2. Arm専用の組み込み命令による最適化 バッチ処理対応 技術の要約 技術の詳細 コストパフォーマンス・競合他社との比較 FUJITSU-MONAKAとの連携 今後の展望 お問い合わせ先 謝辞 生成AIの発展と課題 近年、生成AIは目覚ましい発展を遂げ、…
…広島大学SRLでは、量子化学計算の高速化について研究しています。量子化学は、電子状態を考慮することで分子構造の最適化や物性予測の精度を大幅に向上させられますが、計算量が極めて大きいという課題があります。情報科学と化学という異なる専門分野にまたがるハードなテーマですが、組織的な連携を強化した富士通SRLの仕組みを活かして、理論的な枠組みの理解から並列アルゴリズムの考案・効率的な計算の実装まで一気通貫で取り組んでいます。今回は、開設から3年目となる広島大学SRLがGPUを用いてフ…
…ちは、富士通研究所 量子研究所の松村と申します。量子研究所では、従来コンピュータとは違う原理による圧倒的な計算能力で、様々な社会分野において革命をもたらすとされる量子コンピュータの研究を行っています。 この記事では、2025年3月24日のプレスリリース「ダイヤモンドスピン量子ビットの高精度量子ゲート操作技術を開発」[1]を、技術的に深掘りして、今回発表した技術の価値・意義を解っていただくことを目的として書きました。最近量子コンピュータの世界で発表されている様々な素晴らしい成果…
こんにちは、量子研究所で量子クラウドプラットフォームの研究開発を担当している五木田です。 今回、富士通は大阪大学*1、株式会社セック*2、TIS株式会社*3らのチームと共同で開発を進めている量子クラウドプラットフォーム「Open Quantum Toolchain for Operators &Users」を拡張し、各種の量子ソフトウェアを含めOSS(Open Source Software)として公開しましたので、その概要について紹介させて頂きます。 github.com …
…するものまであり、耐量子計算機暗号とAIセキュリティが7セッションで最多のセッション数となっていました。耐量子計算機暗号は、量子計算機時代の暗号に関する研究です。実用的な量子計算機が普及すると現在の一部の暗号の安全性が低下する可能性があることが指摘されており、量子計算機が普及したとしても安全であるような暗号についての研究が行われています。AIセキュリティは人工知能(AI: Artificial Intelligence)に関するセキュリティを行うテーマであり、AIを使ってサイ…